こんにちは、DEの牧野です。普段は渋谷桜丘で企画・デザインを通じたブランディングの仕事をしています。この度、千葉県の南房総で活動する「南房企画(なんぼうきかく)株式会社」を設立しました。
拠点は岩井海岸(館山の少し上くらい)になります。僕自身は今後、二拠点活動していく計画です。この会社では、南房総にまつわる仕事に取り組んでいきます。
千葉南房総。サーフィンをする方は、外房側の一宮や館山など馴染みがあるかもしれません。しかし「あまり行ったことないなぁ」という方も多いだろうと思います。東京から80分ほどでいける距離なのに、あまり知られていないエリア。逆に言えば、ものすごいポテンシャルに溢れていると兼ねてから考えていました。
もともと僕自身も千葉の出身です。市原市に実家があり、高校は茂原市「長生高校」に通っていました。千葉には人一倍愛着も興味あっていつかは「千葉の仕事を」と思い続けていました。
千葉は「ブランド化が苦手な県」だと感じています。農業も漁業も酪農も盛んです。伊勢海老が、日本一の水揚げ量となることもあります。金目鯛やすずき、ぶりもトップクラス。しかし千葉県出身というと「落花生ですね!」としか言われないのはとても残念なことです。僕は「千葉落花生問題」と呼んでます(別に落花生に罪はないのだけど)。
これほど多くの産業に溢れているのに、想起されるブランドがないのか。土地自体の価値(価格)も、東京からの距離もさほど変わらない「鎌倉・湘南」と大きく差があります。僕の仮説は、東京という一大消費地に近かいがために「ブランド化する」必要がなかったこと、そして生産物を「表現する」人が足りなかったのではないか、というものです。
南房企画は千葉の魅力を表現し、最大化していくローカルデザインカンパニーになりたいという思いで設立しています。
岩井海岸は、とにかく波が穏やかで、やさしい空気が流れている海岸です。よくも悪くも、それほど人が多くありません。海越しのサンセットが見えて、晴れていれば富士山も臨むことができます。近くには「のこぎり山」という日本屈指の観光地もあります。
岩井海岸は、もともと企業の保養所、民宿、臨海学園で溢れていました。夏にはたくさんの人々で賑わいます。岩井駅を降りれば「ようこそ、民宿のまちへ」と書かれた看板が歓迎してくれます。しかし、2019年の台風被害に続き、3年間にわたるコロナの影響で甚大の被害がでていることも確かです。少子高齢化も進み、日本の多くの地域同様にこのままでは衰退の一途を辿ることになります。
2021年の夏。2年前に、僕はこの岩井海岸に引き寄せられるようにやってきました。そこである人と、ある場所と出会い、ここを拠点に活動していくことを決めたのですが、話し出すととても長くなるので、また次回にご報告できればと思います。
今の日本社会や経済の状況に関して「このままでいい」と思っている人は多くはないでしょう。人口は減少し、高齢化し、大きなイノベーションも起きず、経済成長を望むこともなかなか難しい。
経済成長を前提にせずとも、豊かに生きることができる道を探さなくちゃいけない。もちろん、それが簡単な道じゃないということもわかります。ただ個人的な展望では、それは東京や資本主義における「上っていく」方向ではなく、ローカルな場所へと「下っていく」方向にあるのだろうと考えています。(これに関しては以前にこちらのローカリズムに長々と書きました)
地域に残る多様な自然資源や固有の文化。この先、そういったものにより一層の価値が宿るはず。グローバル社会であればなおさら。旅行すれば、誰もがその土地固有の文化に触れたいと願うでしょう。また、「食料」と「エネルギー」は日本全体の大きな課題であり、それらに取り組むメインステージはやはり地域となるはずです。
東京のような大都市に文明を集約してきた時代から、数多で多様なローカル文化の可能性をみんなが追いかけていく時代へ。そのような未来に希望を抱いています。南房企画では、「南房総エリア」におけるそのような可能性を探求することを担っていく一つの会社でありたいと思います。
僕はもうすぐ39歳になる年齢で、広告業界に足を踏み入れてからもう17年ほどが経っています。資本主義のど真ん中で仕事をしてきて、正直にいえばずっと迷いながら、悩みながらやってきたという感覚があります。
広告の仕事は、基本的には経済活動をとにかく「後押し」する仕事です。できるかぎり商品をよく描き、人々の欲望を掻き立て、購買へと結びつけること。資本主義経済の潤滑油のような仕事。しかし、一歩ひいてみたときに、その活動自体に本当に意義があるのかという疑問は常に残っていました。
その商品は、誰かを搾取していないだろうか。そのサービスは本当に社会を豊かにするものだろうか。自然を壊していないだろうか。誰かを傷つけてはいないだろうか。注意深く目を凝らそうにも、それらを全て把握することは不可能です。グローバル経済の弊害でもあります。
もっと目が届き、手で触れるような経済行為に貢献していきたい。自分の時間と力を使っていきたい。規模は小さくとも意味は大きい、そういう仕事を増やしていきたい。ローカルへの道は、僕個人としてそのような理想的な仕事を探す旅でもあります。仕事に関して、「何をやるか」も大切だけど、「誰とやるか」も大きく影響します。同じように「どこでやるか」ということも大事なのだろうと考えています。
この道が正しいかどうかまだわかりませんし、それを実現する力が僕にあるのかも正直わかりません。しかし自分が感じる風の流れを信じて、しばらくは進んでみようと思います。
もし南房総や岩井エリアに興味がある方がいたら、ぜひお声がかけください。名物のアジフライでも食べながら、海に沈む夕日を眺めながら、いろいろ話をしましょう。一人でも多くの人のこの南房の魅力を伝えていけたら、それだけでもこの南房企画をつくる意味がある気がしています。
渋谷から南房総へ
「南房企画」は、
千葉県南房総エリアで活動する
ローカルデザインカンパニーです。
南房総は自然豊かで、東京からのアクセスもよく、
多くの可能性が眠っています。
その可能性を魅力に変えることが私たちのミッションです。
ロゴデザイン、コピーライティング、ウェブ制作、
商品やサービスのブランディング/PR。
広告業界15年で培ってきた知恵と技術を、
南房で活かしていく所存です。
ぜひお気軽にお声がけください。